環境省主導で、環境がこどもたちに及ぼす影響を大規模に調査する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」という取り組みがあります。その一環として4,600人の2歳児を対象に血中ビタミンD濃度を調査したところ、75%の子どもたちは30ng/mL以下の不足、うち25%は20ng/mL以下の欠乏状態にあるという結果となりました。
ビタミンDは骨へのカルシウムの吸収促進の効果で知られていますが、免疫機能への多大な関与からも、その重要性が認識されています。その為、不足すると脚の骨が曲がってしまう「くる病」や、免疫機能の低下から風邪を引きやすくなってしまいます。
ビタミンDはその他のビタミン群とは異なり、食事からの摂取より、多くが、太陽光に含まれる紫外線に当たることで皮膚内で合成されます。冬季の日光の紫外線は、その中でもビタミンDが合成されにくいタイプであることから、サプリによって補うのも手ですが、これからの時期は日が高くなる時間帯に一日10~15分程度日光に当たるだけでも充分なビタミンDが産生されると言われています。
植物のように太陽光にあたることでエネルギーを作るわけではありませんが、健やかな成長、発達の為に子どもたちにとっても太陽光にあたることは欠かせません。これからの時期、ぜひ親子で気候を楽しみながら日光浴をしましょう。
参照:
エコチル調査について
https://www.nies.go.jp/jecs/index.html
2歳児の血中ビタミンD濃度に関する大規模