日本においては随分状況が落ち着いてきたようですが、一部の国では感染者数、死者数の増加が継続している新型コロナウイルス。引き続き関連するデータやリサーチが蓄積されています。
新型のウイルスということで最悪の被害を想定した上でパンデミックの初期段階においては妥当と考えれるロックダウンや休業要請、自粛ですが、今回それらによる二次的な被害についてのお話です。
二次的被害と言うと経済的な損失が主として上げられることが多いですが、自分としてはこどもたちに与える影響に関して院でのケース事例や最新のリサーチを元に考察したいと思います。
5月27日に公開されたばかりの「新型コロナウイルスの心理社会的影響」というタイトルのリサーチの中で、認知的、情緒的、社会心理的な成長著しい青少年期において、学校や公園、遊び場の閉鎖といった日常の生活スタイルの変化や、両親の感染への恐怖や経済的な不安が伝わることで子どもたちにも大きな困惑やストレスとなり、長期の精神的な悪影響(うつやPTSD)が懸念されるということが述べられています。
自分自身、高知県が緊急事態宣言対象となっている期間中は減っていた新規のクライアントさんも、6月18日現在では通常通りに戻ってきました。その中で、これまでと異なる点として、コロナ休校期間中に生活リズムが崩れたことが原因とみられる体調不良を訴える学生さんの来院が増えています。
めまいや、頭痛、節々の痛みと、体のだるさなど、新型コロナによる休校以前からあったものが、1ヶ月以上の休校を経て状態が悪化し、登校に支障をきたしているというケースです。
そのようなケースにおいてもカイロプラクターとして他のクライアントさんに対して行うのと同様、問診を経て、カイロプラクティックの検査、整形外科的検査、神経学的検査を行います。
多くの場合、サブラクセーション(脊椎関節の機能不全)は散見され、通常通りのケアを院では行いますが、通常と異なる点として生活面での改善の必要性の度合いが大きいことがあります。
これまでに見たケースからは昼夜逆転した生活が長く続いた状態から、休校解除により強制的に元の生活リズムに戻すことを強いられ、無理が掛かっているケースが多く、生活リズム改善に対してのアドバイスも行っています。
もちろん、それぞれのケース毎に対処法は異なるので、詳細な問診や分析を行なった上でのアドバイスが重要です。
このような社会心理的な要素も含む複合的な心身症のケースは今後も一定継続する恐れがありますが、必要に応じてカウンセラーや医療機関とも連携を取りつつ最善を尽くしたいと思います。
参照:
Psychosocial impact of COVID-19, Souvik Dubey et al, Diabetes Metab Syndr, 2020 May
溝渕知秀 D.C.
オーツリーカイロプラクティック/高知
https://otreechiro.com