「落ち着きがない」「イライラしている」「暴れ出す」「お友達に手をあげる」など、この様なお子様の悩みをもつ親御さんがしばしば来院されます。発達障害として診断され、療育などで対応されておられますが、他にできることはないかと模索され、カイロプラクティックを受けに来てくださいます。
もちろん、神経の働きが悪く、身体が思ったようにコントロールできない、または単純に身体がしんどいとイライラします。それを改善するのがカイロプラクティックです。しかし、施術を受けていただくと同時に考えていただきたいことがあり、問診時にいつもお伝えすることがありますので、今回はその内容をご紹介したいと思います。
それは、「シュガーハイ」です。
「シュガーハイ」という言葉をご存知でしょうか?シュガーハイとは、糖分の過剰摂取によって血糖値の乱高下が起き、そのため疲れやすくイライラするという状態を言います。
糖は摂取してすぐエネルギーになるため、元気になります。疲れた時に甘いものを食べるというのはこのためです。しかし、過剰摂取をすると、血糖値を下げようとインスリンが急速に働き、もともとの状態よりも低血糖にしてしまう傾向にあります。
この時、急激に疲労を感じ、イライラし始めるのです。そしてまた脳が糖分を欲するため、要求を始めます。お子様の場合、ここでぐずったり、暴れ出したり、泣き出してしまうのです。
さらに、糖を代謝する時、ビタミン(特にB1)とカルシウムを伴うため、体内から不足していきます。これが、慢性的な疲れとイライラを作り出していくと考えられています。場合によっては情緒不安定、うつなどの症状が出ることもあります。
糖質は必要な栄養素でもありますが、過剰摂取は良くありません。しかし、ご飯・パン・麺類も糖質ですし、子供は大好きです。食べないで過ごすことはかなり難しいと思います。では、なにから制限していけば良いのでしょうか?
まずは「おやつ」と思われると思いますが、子供にとっておやつの時間も楽しみの一つで、それを急にやめることは大変です。ですので、私が1番に見直していただくのは「飲み物」です。ジュースには思った以上の糖分が含まれています。
たとえば500mlのコーラには角砂糖約20個分、スポーツドリンクにも角砂糖約10個分の糖分があります。その他、野菜ジュースや乳酸菌飲料などにも多く含まれます。100%果物ジュースは手作りでないかぎり、やはり糖分が多いです。身体に良いと思って飲ませているのに、糖分過多になっている可能性があります。
上記のような量の糖分をわずか数分で飲み干すと考えると怖いですね。角砂糖20個を数分で食べるのは嫌になりますが、飲み物になると飲めてしまうのです。これが癖になるととてもやっかいです。
まずは、お茶かお水に変えてください。
できれば、甘いおやつは「ご褒美」としてのみ与えてください。
糖の過剰摂取は結局、ビタミン・カルシウム不足を引き起こし、疲れやイライラだけでなく
・虫歯の原因
・骨格や神経の発達の妨げ
・腸内環境の悪化
・集中力の低下
につながります。
お子様のために、カイロプラクティックを受けていただくのはもちろんとても有効ですが、「シュガーハイ」についても少し考えていただけたらと思います。
執筆:
山地 梨映子 DC,CACCP
リコ・カイロプラクティックオフィス/ 大阪市北区
http://rico-chiro.com/