
心臓のドクッ、ドクッ、というリズム、このリズムは実はメトロノームのように一定ではなく、ある程度の「ゆらぎ」があるそうです。
  
 心拍のゆらぎが大きいと、心身のストレスに強い状態、ゆらぎが小さいと、心身のストレスに弱い状態なんだそうです。
  
 今のご時世で言えば、心拍のゆらぎが大きいと、「新型コロナウイルスが騒ぎになっているけど、ぐっすり寝てるし、ま、大丈夫でしょ」と心も身体も打たれ強い状態。
  
 一方、心拍のゆらぎが小さいと、「ニュース怖いなぁ、外に出たくない、何も触りたくない、誰ともしゃべりたくない」と気分がふさいで身体までだるくなっちゃう状態。
  
 というのは、あくまでも私の「科学的ではない」たとえですが、この心拍のゆらぎが大きい状態、つまりストレスに強い状態は、迷走(めいそう)神経という副交感神経が良く働いています、というサインなのです。
  
 私たちは深呼吸することで、この迷走神経の働きをコントロールすることができます。
  
 4秒吸って6秒吐いて、と10秒に1回の深呼吸を続けることで、心拍のゆらぎが大きくなり、迷走神経の働きが高まって、リラックスすることができます。
  
 赤ちゃんは、自分の意志で深呼吸することはできません。
  
 しかし驚くことに、お腹の中にいるころから、お母さんの心拍のゆらぎを感じて赤ちゃん自身の心拍もゆらぎ、迷走神経を活性化することができるようなのです。
  
 胎児の心拍のゆらぎは、その後の言葉の発達や、心理発達にも関係することが報告されています。
  
 昨年12月、ユニ・チャーム株式会社と名古屋大学の共同研究チームは、この母と子の連動がこれまでわかっていた生後2ヶ月までではなく、さらに生後3〜8ヶ月の赤ちゃんでも観察されることを報告しました。
  
 お母さんが生後3〜8ヶ月の赤ちゃんを15分間抱っこしながら深呼吸をすると、お母さんだけでなく、子供の心拍のゆらぎも大きくなることがわかったのです。
  
 と、小難しい話はここまで!
  
つまり、お子さんがストレスを感じているな、落ち着かないな、ぐずっているなぁ、と思ったら、ぜひ抱っこしてあげて、ゆっくりお母さんが深呼吸してください。
  
 日々時間とのたたかいでそんな余裕はないよ〜、というお母さん、
  
 頑張っているお母さん達はいつも呼吸が浅くなっています。一瞬でいいので動きをとめて、お子さんをギュッと抱きしめて、1回だけ、深呼吸してみてください。
  
 きっとお母さんのしかめっつらがちょっぴり和らいで、お子さんの心もポワッとゆるみます。それでグズグズが消えなくても泣き止まなくても良いんです。お母さんの心は伝わります♪
  
 これを読んでいるお父さん、父親は蚊帳の外か、なんて思わないでください。奥様をぜひギュッとして、いつもありがとう、と伝えてくださいね。お子さんだけギュッとしてたらダメですよ。奥様が鬼の形相では、子供はゆるみません(笑)
 
あ、もう一つ追加情報。
 「症例集」ページにまとめたように、小児カイロケアは子ども達に関するたくさんの悩み事に応えることができます。しかし実は、お母さんがカイロプラクティックケアを受ける事で解決することも珍しくありません。
  
 カイロプラクティックケアでお母さんの身体が楽になって、自然と呼吸が深くなると、お子さんの身体の緊張も和らぎ、夜泣きや身体のつっぱりが和らぎます。
  
 私のオフィスでは、普段の授乳姿勢や抱っこの仕方をアドバイスすることもよくあります。お母さんお父さんが楽な姿勢で育児できると、身体の負担が減るだけでなく、赤ちゃんも表情豊かに、柔らかく、ご機嫌になっていきます。
  
 お悩みがある方はぜひ小児カイロプラクターにご相談ください♪ 
大人もカイロケアを受けられますよ。
>> 日本小児カイロプラクティック協会 メンバー紹介
参照:
 原著論文
 Suga A, Uraguchi M, Tange A, Ishikawa H, Ohira H.
 Cardiac interaction between mother and infant: enhancement of heart rate variability.
 Scientific reports 9, 2019.
 https://www.nature.com/articles/s41598-019-56204-5
  
 日本語解説
 日本の研究.com
 母親の深呼吸は乳児の安らぎに ~母親との身体的接触による調整効果~
 https://research-er.jp/articles/view/86783
  
 心拍のゆらぎの仕組み
 Shaffer F, McCraty R, Zerr CL.
 A healthy heart is not a metronome: an integrative review of the heart’s anatomy and heart rate variability.
 Frontiers in psychology 2014.
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4179748/
  
執筆:
 山﨑 美佳 DC,PhD
 きっず&ふぁみりーカイロプラクティック三田/ 東京都港区
 https://kiffami.com



















