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No.037 スマホ・タブレットを制限しませんか?

近年、スマホやタブレットは当たり前のようになくてはならない機器になりました。連絡手段はもちろん、天気や時刻表、料理のレシピなど様々なことを調べることもできますし、テレビ代わりに動画も豊富に見ることができます。非常に使い勝手もよく便利なので手放せませんよね。

今や中学生は当たり前、小学生にも「マイスマホ」を持たせる親御さんもいらっしゃいます。教育系の用途もあるため、0歳児にもタブレットで動画を見せますし、2~3歳にもなると自分で操作できるようにさえなっています。タブレットを見ている間は静かでおとなしいから、子育て奮闘中はついつい与えてしまいがちです。

しかしその便利さの反面、恐ろしいデメリットもあるのです。

それは、「スマホやダブレット、ゲームなどのデジタルスクリーンが脳を壊す」ということです。

米国精神科医でベストセラー作家のヴィクトリア・L・ダンクリーが十数年ものあいだ、数多くの子どもを治療してきて得た事実がこれでした。

東北大学加齢医学研究所所長で医学博士の川島隆太氏はスマホやタブレットを連日のように使っている子どもの学力が妙に低いと感じ、スマホを使う頻度が高い子どもの脳をMRIで調べたところ、学力を含む、子供たちの認知機能に大きく関わる大脳の約3分の1の領域と、大脳白質(神経線維)の多くの領域の「発達が止まる」という衝撃の結果を得られました。

このように、スマホやタブレット(PC・テレビも含む)のデジタルスクリーンの刺激は脳に良い影響を与えないことが分かってきました。長時間・長期間の使用は、自律神経の交感神経を刺激し、身体の調節機能をも乱してしまうのです。ストレスへの対応が難しくなり、睡眠も乱れてしまいます。

自分の子どもにこんな兆候があったら、もしかしたらスマホやタブレットによる脳への過剰な刺激が原因で「デジタル脳」になっているかもしれません。

・イライラしたり、急に泣き出したり、感情の起伏が激しい

・飽きっぽく、集中力がない

・ゲーム中にキレやすい、話しかけると怒る

・忘れ物や遅刻が多い

・テストの点数や偏差値が下がってきた

・不自然に太ってきた

・「発達障害かも?」と感じることがある

・コミュニケーション力が低く、友だちができない

近年発達障害が増加してきていると言われていいますが、ここに原因があるとズバッと結論付ける専門医もいるようです。しかし、多くの問題行動や学力低下は、デジタルスクリーンの罠にかかっているだけかもしれません。

では、どうすれば改善されるのか?

単純にスマホやタブレットを制限することです。すでに依存をしているお子さんの場合はかなり難しいことかもしれませんが、少しずつルール作りをし、大人がしっかりサポートしながらできる限り離れる生活を送ることが重要です。

そして何より、自然の中で体を動かすことが大切です。朝一番に明るい日光をたくさん浴び、運動をすることで、脳のバランス機能を改善させることができます。

デジタルデトックスの詳細は

著書『RESET YOUR CHILD’S BRAIN 子どものデジタル脳完全回復プログラム』に書かれています。気になることが少しでもあれば、読まれることを推奨します。

お子さんが身体的・精神的に健康であるために、スマホ・タブレットを制限しませんか?

参照文献
『RESET YOUR CHILD’S BRAIN 子どものデジタル脳完全回復プログラム』 
ヴィクトリア・L・ダンクリー著  川島隆太監修 鹿田昌美訳

執筆:
山地 梨映子 DC,CACCP
リコ・カイロプラクティックオフィス / 大阪府
http://rico-chiro.com/

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