子供に集中力を身につけさせたい!
と考えている親御さんは多いと思います。
その「集中力」とは、どんな集中力でしょうか?
学校できちんと座って授業に集中してほしい。
あちこち目移りしないで何かに興味を持って取り組んでほしい。
でもゲームに没頭するのは困る。
といったところでしょうか。
その子の成長につながることに集中してほしい、ということかもしれません。
脳神経科学の知識を一般向けにわかりやすく講義してくれる、青砥 瑞人氏(株式会社 DAncing Einstein 創設者)によると、集中力には4種類あるそうです。
外狭:外向きの狭い集中。
外広:外向きの広い集中。
内狭:内向きの狭い集中。
内広:内向きの広い集中。
「外向き、内向き」とは、意識が自分に向いているか、外側に向いているか。
「狭い、広い」とは、意識が1つの物事に向けられているか、たくさんの物事を俯瞰的に眺めているか。
つまり、
「外狭」の集中は、1つの新しいことに注意を向けて打ち込んでいる状態。例えば、先生が黒板に書いた算数の問題を一生懸命解いている状態。
「内狭」の集中は、1つの事柄についてじっと考えたり思い出している状態。算数の問題を解くときに、前にやった問題と似てるなと思い出したり、どの公式が使えるか考えている状態。
「外広」の集中は、たくさんの複雑な情報から直観的に判断して行動している状態。例えば、学校に向かって歩きながら、あ、綺麗な花が咲いてる、信号が赤だ、自転車が近づいてきた、○○ちゃんが向こうにいる!という複数の情報を一度に判断しながら行動している状態。
「内広」の集中は、ぼーっと無意識に近い状態で脳内の情報がポツポツ頭に浮かんでくる状態。学校に向かいながら、お母さんのこと、友だちのこと、昨日やったゲームのこと、楽しみなこと、いやなこと、色々なことがもやもやと頭に浮かんでは消えている状態。
これらは脳の中でオンオフになっている場所がみんな違います。
そして、どの集中力も大切。
「外狭」と「内狭」は目の前の新しいことを覚えるときにセットで必要になる集中力、「外広」と「内広」は夢を想い描いたり、創造力を発揮するときに必要になる集中力です。
お子さんがある日ぼーっとしていたら、創造力を磨いている最中かもしれません。
同じ遊びをずーっと繰り返しているのは、学習力を鍛えている最中かもしれません。
授業中に窓の外の揺れる木々に目が移ってしまう子は、人と違う豊かな発想ができる子かもしれません。
学校に行って、習い事に行って、と外向きの集中ばかり使っている子には、ぼーっとする時間が必要かもしれません。
いつもそわそわ外の物事に反応して、ぼーっとできない子には、「今日はどんなことがあった?何か面白いことあった?」と聞いて、お子さんが自分の内側に意識を向ける時間を作ってあげると良いかもしれません。
自分の内側に浸ることが大好きな子には、その時間を外から温かく見守りつつ、たまには自然いっぱいのところに連れ出して、鳥の鳴き声を聞いたり、風を感じたり、一緒にお料理したり、意識を外に向ける楽しさを教えてあげると良いかもしれません。
さあ、あなたのお子さんはどの「集中」が得意ですか?
そしてあなたご自身はどの「集中」が得意ですか?
4つの集中を知ると「案外うちの子も、自分も、集中力あったんだ」と気づくのではないでしょうか。
参照:
1)DAncing Einstein 一般公開講座
https://www.da-einstein.com/lecture
2)青砥 瑞人 著
4 Focus 脳が冴えわたる4つの集中
3)工藤 勇一, 青砥 瑞人 著
最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方
執筆:
山﨑 美佳 DC,PhD
きっず&ふぁみりーカイロプラクティック三田/ 東京都港区
https://kiffami.com