
今年も残りわずかとなりました。慌ただしい日々の中で、お子様の成長を感じる瞬間はありましたでしょうか。「首がすわった」「寝返りができた」「初めて歩いた」という赤ちゃんの記念すべき瞬間から、「逆上がりができるようになった」「字が上手に書けるようになった」という幼児・学童期の成長まで、子どもの発達は驚くほど早いものです。年末のこの時期だからこそ、お子様の1年間の成長を振り返り、身体の変化に目を向けてみませんか。
発達段階に応じた身体の変化
乳児期(0~1歳)
首すわり、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、一人歩きと、目まぐるしい発達を遂げる時期です。この時期の運動発達は、脳と身体をつなぐ神経系の発達と深く関わっています。頭の形、向き癖、ハイハイの仕方など、一つひとつの動きに意味があります。
幼児期(1~6歳)
歩行が安定し、走る、跳ぶ、投げるなど、様々な動きができるようになります。この時期は姿勢の基礎が作られる大切な時期でもあります。座り方、立ち方の癖が定着し始めるのもこの頃です。
学童期(6歳~)
学校生活が始まり、長時間の座位姿勢、重いランドセルや教科書、タブレット学習など、身体への負担が増える時期です。急激な成長に伴い、姿勢の変化や運動能力の個人差も目立ち始めます。
現代の生活環境が与える影響
年齢を問わず、現代の子どもたちは様々な環境的要因に影響を受けています。
赤ちゃんでも、長時間の抱っこ紐使用やベビーカーでの移動、バウンサーやハイローチェアでの時間が増えることで、自由に動く時間が減少しています。幼児期以降は、スマートフォンやタブレットの使用時間の増加により、前かがみの姿勢が長時間続くことも珍しくありません。
こうした生活習慣は、お子様の月齢・年齢に関わらず、身体の使い方や発達に影響を与える可能性があります。
気づきたい身体のサイン
お子様の年齢によって、注目すべきポイントは異なります。
乳児期のサイン
- いつも同じ方向ばかり向いている(向き癖)
- 抱っこしにくい、反り返りが強い
- 寝つきが悪い、よく泣く
- 母乳やミルクの飲みが悪い
幼児期のサイン
- 転びやすい、ぶつかりやすい
- じっと座っていられない
- 姿勢が崩れやすい
- 疲れやすい
学童期のサイン
- 頭痛や腹痛を訴えることが増えた
- 猫背が目立つようになった
- 集中力が続かない
- 肩こりや腰痛を訴える
これらは、単なる個性や成長過程の一時的なものと見過ごされがちですが、身体の機能的な問題から生じている可能性もあります。
振り返りのポイント
年末のこの時期に、お子様の発達段階に応じて、1年を振り返ってみましょう。
1. 動きの発達を確認
乳児期: 腹ばい時間(Tummy Time)は十分とれているか、左右対称に動いているか
幼児期: バランスよく歩けているか、両手をバランスよく使えているか
学童期: 片足立ちができるか、姿勢を保持できるか
2. 姿勢の観察
普段の様子を写真や動画に残してみてください。数ヶ月前と比較することで、変化が見えてきます。抱っこしているときの赤ちゃんの姿勢、遊んでいるときの座り方、勉強しているときの姿勢など、日常の中での自然な姿を記録しましょう。
3. 睡眠と生活リズム
成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌されるため、質の良い睡眠は年齢を問わず子どもの成長に欠かせません。夜泣きが続いている、寝つきが悪い、朝すっきり起きられないといった症状がある場合、身体に何らかの緊張や不調があるサインかもしれません。
4. 日常生活での気づき
「前よりも機嫌が悪い時間が増えた」「身体を触られるのを嫌がる」「特定の動きを嫌がる」など、お子様の反応の変化にも注目しましょう。子どもは言葉で不調を伝えられないことも多く、行動や表情に現れることがあります。
小児カイロプラクティックの視点から
私たち小児カイロプラクターは、お子様の身体の構造と機能の関係性を重視しています。背骨は単に身体を支えるだけでなく、脳と全身をつなぐ神経の通り道でもあります。背骨の関節可動域不全(サブラクセーション)、つまり関節の動きが悪い状態は、神経系の働きに影響を与え、様々な症状として現れることがあります。
新生児であっても、胎内や出産時の負担、日常的な抱き方、寝かせ方などによって、関節の動きに制限が生じることがあります。早期に発見し、適切なケアを行うことで、その後の発達をよりスムーズにサポートできます。
定期的な身体のチェックとケアは、お子様が本来持っている成長する力を最大限に引き出すことにつながります。「何か症状が出てから」ではなく、「健やかな成長のため」に身体のメンテナンスを行うという予防的な視点が大切です。
新しい年を迎える前に
子どもの成長は一瞬一瞬の積み重ねです。初めて歩いた日の喜び、逆上がりができた時の達成感。そうした目に見える成長の裏側で、身体は日々変化し続けています。
日々の忙しさの中で見過ごしがちな身体の変化も、年末という節目に立ち止まって観察することで、新たな気づきが得られるかもしれません。新しい年が、お子様にとって健康で実り多い1年になるよう、今この時期に身体のチェックをしてみませんか。
生後間もない赤ちゃんから、活発に動き回る幼児、学校生活を送る学童まで、それぞれの発達段階に応じたケアがあります。私たち小児カイロプラクティック協会は、すべての年齢のお子様の健やかな成長を全力でサポートいたします。
来年も皆様とお子様にとって、素晴らしい1年となりますように。



















