「逆子だけど大丈夫?」と不安になる妊婦さんがほとんどだと思います。
結論から言うと”大丈夫”。
大切なのは「赤ちゃん自身が現状の一番都合の良いポジションを知っている」ということをお母さんが知っておくことです。
カイロプラクター の”視点”で「妊婦さんと逆子」について説明していきます。
逆子は大きく5つのタイプに分けられています。
【単殿位(たんでんい)】
子宮内で胎児の頭が上になっていてお尻が下になっている状態。そして、V字になっている姿勢(お尻を子宮口に向けている状態)をいいます。この場合は、逆子であっても経膣分娩は可能になります。
逆子の8割は単殿位といわれています。
【複殿位(ふくでんい)】
子宮内で胎児があぐらをかいている状態。
経腟分娩も可能となっていますが、足とお尻が一緒に産道を通るため自然分娩が難しく、場合によっては緊急帝王切開になることがあります。
【足位(そくい)】
子宮内で胎児が立っている状態。
両足で立った姿勢(全足位)と片足で立った姿勢(不全足位)に分かれます。
分娩時は足から先に出て、頭が最後に出る危険をともなうので、帝王切開での出産が一般的となります。
【膝位(しつい)】
子宮内で胎児が膝をついている状態。
両膝をついた姿勢(全膝位)と片膝をついた姿勢(不全膝位)に分かれます。
帝王切開での出産が一般的となります。
【横位(おうい)】
子宮内で胎児が横向きになっている状態。
分娩時に肩や手が先に出るものの、体が産道を通ることができないため帝王切開での出産が一般的となります。
妊娠中期頃までは、赤ちゃんにとって子宮内は広く、活発に動き回ることのできる”ゆとり”があり、様々に向きを変えながら過ごしています。妊娠後期に入り、体が大きく成長すると、赤ちゃんは最も重い頭を下に向けた「頭位」という状態で落ち着きます。
妊娠中期(27週未満)での逆子の割合は全妊娠の20%~30%ですが、このほとんどは分娩時には頭位になります。
(妊娠37週時点での逆子の割合は、全分娩の約3%と言われています。)
赤ちゃんの頭が下向き、及び背中がお母さんの左側に位置するのにもきちんとした理由があります。
簡単に言うと人間の構造的に、左側に赤ちゃんの背中がくるのが一番負担のかからないポジションになります。
では…
「なぜ逆子になるのでしょうか?」
まず、お母さんの骨盤が正常に機能しなくなるとどうなるのか説明しますね。
上の図にRound Ligamentと書いてある紐みたいなのがあります。
これは日本語で子宮円策というのですが、骨盤が正常に機能しないと子宮を支える子宮円策のバランスが崩れてきます。
子宮円策のバランスが崩れるとどうなるのでしょうか?
「空中に浮かんでいる気球」をイメージしてみてください!
図の気球は左右2本の紐で全体のバランスをとっています。
これを先ほどの子宮円索と仮定してみてください。
どちらか一方の紐が下に引っ張られている状態になったら…
このとき風船はどうなるでしょうか?
”引っ張られた方に気球は傾く”ことになると思います。
気球についている紐が子宮円策であるならば、気球本体は身体でいうところの子宮になります。
子宮は赤ちゃんの”寝室”。
子宮の状態が安定していないと、赤ちゃんもゆっくり落ち着くことができません。
そして、赤ちゃんは常に「一番過ごしやすい場所」を探して動きます…
では…
「どうしたら赤ちゃんは正常な胎位になるのでしょうか?」
子宮円策のバランスを整えてあげれば良いのです。
子宮円策の緊張を和らげ、赤ちゃんの寝室を快適にするカイロプラクティックのアプローチ方法がウェブスターテクニックです。
骨盤だけでなく脊柱をはじめとした身体の機能を整えることは、「お腹の赤ちゃんにも良い環境を作ってあげている」ということを忘れないでいただけると幸いです。
「妊婦さんにカイロプラクティック?」
と疑問を持つ方もいるかと思いますが、「妊婦さんだからこそ!!」です。
「お腹の赤ちゃんのためにカイロプラクティックを受けに来ました」
という言葉を自然と聞くことができるように、これからカイロプラクティックが正しい方向で広まればいいなと思っています。
現在、日本にはアメリカのICPA(国際小児カイロプラクティック協会)の200時間以上に及ぶ小児・マタニティカイロの専門教育を受けているカイロプラクターの6名が、妊婦さんに安全に、そして抜群の効果をもたらしてくれるウェブスター・テクニックの正規提供資格を取得しています。
赤ちゃんにとって最良の環境を作ってあげることができるのも、カイロプラクティックならではの素晴らしさではないかなと思っています。
この記事を読んでくださっているあなたのお腹の赤ちゃん、そしてあなたの身体を少しだけサポートさせてください。カイロプラクティックは本当に素敵なものです。
いつでもご連絡をお待ちしております。
執筆:
高橋宏翼 DC
コネクト・カイロプラクティック ファミリー・オフィス/東京都練馬区